孵化


Medium(メディウム=培養基)には、バーミキュライト、パーライト、
粒状の竹炭を混合したものを使用。(割合は4:4:2)
バーミキュライトは湿度を適度に保つ事に優れ、パーライトは水の浸透性が良い為、
卵に余分な水分が行かない効果が有り、竹炭は底一面にも敷いているのですが、
水と空気の浄化作用から、水の腐敗とカビ等の発生の抑制に役立つと思い使用しています。
卵の周りに配したミズゴケは空中湿度を保つ目的で配置しています。

 


産卵直後の卵はかなり軟らかく、色も半透明で血管がくもの巣状に配しているのも
確認出来るほどですが、時間の経過と共にしっかりとしたゴム状に固まり、
色も真っ白に変わります。卵が有精卵であれば胚の育成が進み、
ライトで透かして観ると胚と血管が広がっている様子が確認できます。


5月30日の産卵から61日目の7月30日に卵の亀裂を確認。
USでは育成期間の55日を経過すれば卵を切り裂く事も行われていますが、
私のところでは31℃に温度設定しているものの、若干のブレが有る為60〜70日までは
様子を見るようにしています。ハッチの前兆としては、白色だった卵が、表面の粒子が
粗くなり透明感が出て来る様になると、もうそろそろと判断しています。又、卵塊状の
卵では上部の卵にくぼみが生じる傾向にも有るように思えます。

 


孵化の瞬間です!
幼蛇は内から卵を切り裂くと、鼻先を出して呼吸を始めます。

 


鼻先を出してから数時間はほぼこの状態が続きます。

 


 時間の経過と共に次第に顔全体を出し、外を覗うようになります。

 


外部に少しでも動きがあると身の危険を感じて卵の中に引っ込んでしまいます。

 


しかし、暫くすれば又同じように顔を出し、辺りを観察。

 


通常、幼蛇は1日を卵の中で過ごし、卵黄の完全な吸収を待ちます。
又、同クラッチの卵は最初の亀裂が生じてから一両日中に孵化が生じる為、
この様な可愛らしい場面を見ることが出来ます。


最初の亀裂から1日を過ぎても亀裂の生じない卵は中のベビーに力が無く、
卵が破れない場合があり、窒息死の恐れもある為、卵の血管をよけて人為的に
裂け目を入れてあげる場合も有ります。今回は因子的に弱いAlbinoの卵であり、
上部の卵に凹みがあった為、早期にハサミを入れました。
結果的には後にベビーが自ら裂いた亀裂も確認出来た為、
心配は要らなかったのですが、判断は良かったと思っています。

 


上部の幼蛇も、自らも裂け目を作り鼻先を出して呼吸。

 


3頭一緒に「ぶはぁ〜」

 


最初の個体が1日かけてやっと全身を現しました。

 


卵には空洞がぽっかり、もぬけの殻です。

 


二頭目の孵化直後の幼蛇。

 


さて、どちらのベビーが先でしょうか?

 

back